KUGA LABORATORY AT THE UNIVERSITY OF TOKYO

東京大学

大学院総合文化研究科

広域科学専攻

相関基礎科学系


久我研究室

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  • 逆ラドン変換

    (author:竹内誠 date:2014.09.12 02:09:03)

    逆ラドン変換

    最近、逆ラドン変換を行うプログラムを作りました。

    CTスキャン

    CTスキャンという、人体の内部構造を測る技術があります。

    CTスキャンでは、内部構造を持つ二次元物体を180度回転させながら、一次元レントゲン像をとっています。縦軸を一次元像、横軸を回転角として並べた測定データの例を示します。

    waveform_phantom

     

    逆ラドン変換すると、元の二次元物体の、内部構造を含めた密度分布が得られます。市販の数値計算ソフト、MATLABを使いました。

    iradon_matlab

     

    自作のCプログラムで密度分布を計算しても、同じような結果が得られました。ただし、高速な計算法を使っていないため、計算にかかる時間は長いです。

    iradon_cprogram

    CTスキャンではさらに体を身長方向に動かし、輪切り像を並べています。

     

    量子光学における逆ラドン変換

    さて、CTスキャンの話から、当研究室で行っている量子光学の話に戻ります。

    位置と運動量の位相空間では、単振り子の運動は、楕円軌道になります。位相空間は現実の空間ではなく、実験で得られた振り子の位置と時間(位相)の関係から、位相空間上での軌道を再構築します。振幅ゼロの単振り子なら、位相空間では原点に静止した点になります。

     

    量子光学では、単振り子の振幅が、位置の不確定性と同程度の、微視的な運動が研究対象です。単振り子の位置分布と位相の関係から、密度分布(ウィグナー関数)を再構築することが行われており、そこで逆ラドン変換が用いられます。振幅ゼロの単振り子では、点ではなくガウス型分布になります。

     

    振幅はゼロでも位相空間分布が非ガウス型であったり、位相空間内で密度分布が負の領域持つ状態も、生成できます。2012年にノーベル物理学賞を受賞したHarocheのグループにより、興味深い挙動が観測されています。

     

     

     

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